工場・倉庫の雨漏りを直したい! 修繕費用と予防メンテナンス

工場や倉庫で雨漏りが発生することも少なくありません。
商品や設備機器など大切な財産を保管していることもあるため、雨漏りをきっかけに思わぬ二次被害に発展するリスクを考えると、できるだけ未然に防ぎたいものです。
とはいえ、実際に雨漏りがおきてしまったときにはどのように対処すればよいか不安な方もいるでしょう。
今回は、工場や倉庫の雨漏りのリスクや応急処置、雨漏りがおきたときの対処法と費用相場や予防策とメンテナンス方法についてご紹介します。
目次
1.工場・倉庫の雨漏り

工場や倉庫など商業建築物での雨漏りは業務運営に大きく影響することもあるため、長く放置するのは避けたほうがよいでしょう。
では、具体的にどのようなリスクが生じる可能性があるかくわしくご紹介します。
(1)工場・倉庫の雨漏りで生じるリスク
工場や倉庫での雨漏りは、躯体に鉄骨を使っている場合はサビや腐食の要因となり劣化を進行させてしまう可能性があります。
また、機械や設備機器が雨漏りによって濡れてしまい、不具合の要因になることもあります。倉庫に商品を保管しているなら、雨漏りで濡れてしまっては商品価値がなくなってしまう恐れがあります。
さらに、建物の中で働く労働者が雨漏りで濡れた床で足を滑らせるなど、労働環境に悪影響を及ぼすこともあります。
(2)雨漏りを放置するとどうなる?
雨漏りをそのままにしておくと、保管している商品にカビが生えるなど被害が広がる恐れがあります。
また、従業員の健康被害や建物の劣化にもつながるリスクがあり、資産価値の低下につながることや漏電、火災のリスクが考えられます。
(3)雨漏りの応急処置と注意点
万が一雨漏りがおきてしまったら、被害が広がらないように応急処置をすることも検討しましょう。
すぐにできる方法のひとつは、防水テープを貼る方法です。防水テープはホームセンターなどでも購入可能であり、手軽に使えます。
ただし、できるだけ水分をふき取った状態で貼ることと、屋外仕様ができるものを選ぶことがポイントです。
また、ブルーシートを掛けておく方法もあります。こちらもホームセンターなどで購入可能です。
なお、応急処置といっても雨漏り箇所が高所にあるなど対処するには危険が及ぶ場合は、怪我のリスクもあるため無理は禁物です。専門の業者に依頼しましょう。
2.雨漏りの対処法と費用相場

雨漏りの対処方法とその費用についてご紹介します。
(1)雨漏り対処の基本の流れ
雨漏りがおきたら、まずは現地調査を行い、どこからどのような原因でおきたのか確認します。
その後の、適正な修繕方法の見積もりをとり、合意したら足場の設置、雨漏りの修理と内装工事、現場の最終確認後、代金支払いがありアフターサービスという流れです。
(2)工場・倉庫の屋根材と雨漏り
工場や倉庫で使われることが多い屋根材はスレート屋根です。
耐久性や遮音性に優れており、比較的コストも低くメンテナンスしやすい素材です。
しかし、劣化すると割れたりひびが入ったりすることがあり、雨漏りの要因となります。
折板屋根もよく使われます。
素材はトタンで金属であるため、耐久性はありますが10年以上経過するとサビが出てきて穴があき雨漏りの要因となります。
陸屋根という屋根の形状によって雨漏りがしやすい場合があります。
陸屋根は傾斜がほとんどないフラットな屋根のことを指し、雨水がスムーズに流れず屋根の上に溜まってしまうことがあります。
溜まった雨が隙間などから侵入し雨漏りを引き起こすことがあります。
(3)工場・倉庫の外壁材と雨漏り
屋根だけではなく外壁材からも雨漏りがおきることがあります。
外壁にトタンなどの金属素材を使用している場合は、屋根と同じでサビ部分から雨漏りが発生しやすくなります。
また、外壁材同士の継ぎ目やサッシ枠などに施すシーリングの劣化から雨漏りがおきることも多くあります。
屋根、外壁ともどこから雨漏りが発生しているのか、屋根なのか外壁なのか雨漏り診断などできちんと確定することが大切です。
(4)部分補修の費用相場
部分的な補修補法の費用相場次の通りです。
屋根ボルトキャップの取り付け (ボルト錆防止) | 65~110円/1箇所 |
屋根部分的な張り替え | 5,000円~7,800円/㎡ |
屋根塗装 | 4,000円~7,300円/㎡ |
外壁シーリング打ち直し | 700~1,300円/ⅿ |
(5)全体補修の費用相場
補修箇所が広範囲の場合は全体補修の場合があります。費用相場は次の通りです。
カバー工法 | ・折板屋根:13,000円~18,300円/㎡ ・スレート屋根:8,000円~10,500円/㎡ |
屋根葺き替え | ・折板屋根:5,000円~8,200円/㎡ ・スレート屋根:24,000円~30,200円/㎡ |
屋根塗装 | 4,000円~7,300円/㎡ |
外壁サイディング張り替え | 4,000円~10,000円/㎡ |
台風などの自然災害では法人向け火災保険が使える場合があります
雨漏りの原因が台風など自然災害によるものである場合は、法人向けの火災保険が利用できるケースがあります。
自社で加入している保険の保障範囲を一度確認してみることをおすすめします。
3.雨漏りの予防策とメンテナンス

普段から雨漏りを予防できていれば、突然の災害を防ぐことができます。
ここでは、予防策とメンテナンスについてご紹介します。
(1)防水工事の種類と耐用年数
雨漏りの原因は屋根や外壁素材そのものの劣化の場合もあれば、屋根の形状による雨漏りの場合もあります。
特に陸屋根などの場合、屋上のようにフラット形状で防水工事が施されているケースがあります。
防水工事には種類により耐用年数があり、一定の期間が経過すると防水機能が失われます。そのため定期的なメンテナンスは必須といえます。
種類 | 耐用年数 | メンテナンス期間 |
ウレタン防水(通気緩衝工法) | 13~15年 | 5~10年 |
ウレタン防水(密着工法) | 2~5年 | 5~8年 |
塩ビシート防水(機械固定式) | 15~20年 | 15年以上~ |
塩ビシート防水(密着工法) | 10~15年 | 10年以上~ |
ゴムシート防水 | 10~15年 | 5~8年 |
アスファルトシート防水 | 15~20年 | 5~8年 |
FRP防水 | 10~15年 | 6~7年 |
(2)排水口(ドレン)の手入れ
排水口の劣化も雨漏りの要因なりやすい部分です。
ゴミが詰まったりひび割れなどが発生していないか定期的なチェックが必要です。
(3)メンテナンスのタイミング
雨漏りしないためには、耐用年数よりも早めにメンテナンスを行うことが大切です。
実際に不具合がおきてからの対処になるとすでに被害が広がっている可能性が高いためです。
まだ何もおきていないが、年数経過を考慮するとメンテナンス時期にあるというタイミングで行うのがよいでしょう。
4.まとめ

今回は、工場や倉庫の雨漏りについて、その要因と雨漏りでおきる二次災害の内容や応急処理、具体的な対処法とメンテナンス方法などについてご紹介しました。
大切な財産が保管してあることもあるのが工場や倉庫です。
建物そのもの被害はもちろん、商品や設備機器など高額なものにも影響が及ぶ恐れもありますので、急な不具合にならないよう日頃から定期的なメンテナンスと雨漏り診断を行うことをおすすめします。
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