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令和7年6月から熱中症対策が義務化!病院&クリニックの暑さ対策と補助金活用

近年の猛暑の影響により、病院やクリニックなどの医療施設にも本格的な暑さ対策が求められる時代となりました。
特に高齢者や基礎疾患を持つ患者様が多く訪れる医療現場では、気温上昇が健康リスクへ直結する重大な問題です。
令和7年6月からは、企業に対する職場の熱中症対策の義務化も始まっていることから、温湿度管理や空調設備の見直し、遮熱施工の必要性が高まっています。

この記事では、医療施設が今すぐ取り組むべき暑さ対策と、その費用対効果や補助金制度について、わかりやすく解説します。
病院やクリニック運営の視点においても、今から始める備えが安全と信頼につながります。

目次

1.なぜ今、病院・クリニックの暑さ対策が重要なのか

病院やクリニックでは、なぜ暑さ対策を積極的に取り組まなければならないのか、国への対処や利用者への配慮などのポイントをご紹介します。

(1)猛暑日増加の背景

近年、猛暑日の発生頻度が著しく増加傾向にあります。
次のグラフは、気象庁が発表した「大都市における猛暑日日数の長期変化傾向」の東京および仙台のデータです。

このデータによると、東京では年間猛暑日(日最高気温が35℃以上)の平均回数が、2000年代以降で倍以上に増加、仙台でも似たような傾向になっており、東北地域においても猛暑日は急激に増えています。
今後もさらに高温傾向が続くことが予測されます。

※気象庁「大都市における猛暑日日数の長期変化傾向」より引用

(2)医療施設での熱中症リスクの高まり

室内であっても熱中症のリスクがあります。
病院・クリニックでは利用者の密度や、さまざまな機器からの発熱などもあり、施設内の温度管理がより難しくなります。

診察室や待合室は特に混雑しやすく、熱中症や脱水症状のリスクも上昇する恐れがあります。
利用者のみならず、医療従事者など施設の労働者の健康にも影響します。

(3)高齢者や基礎疾患を持つ患者様のリスク

高齢者や心疾患・糖尿病、呼吸器系などの基礎疾患を持つ患者様は、体温調整機能が低下しているため、室内温度と体温の調整をスムーズに行うことが難しく、わずかな温度上昇でも体調を崩す可能性があります。
命を預かる医療施設においては、一般的な商業施設以上に慎重かつ効果のある暑さ対策が求められます。

2.令和7年6月から義務化された「熱中症対策」とは

義務化された熱中症対策の内容を詳しくご紹介します。

(1)厚生労働省による指針・通知の概要

令和7年6月より、厚生労働省は熱中症予防に関する新たな指針を発表しました。
職場における熱中症対策の強化として、体制整備、手順作成、関係者への周知が事業者に義務付けられました。

病院・診療所・高齢者施設なども対象で、暑さ指数を示すWBGT値が28以上または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間を超えて実施が見込まれる作業が当てはまります。

(2)義務化の内容

作業環境の管理、作業内容の管理、健康管理、労働衛生教育などの予防対策を行うこととされており、冷房設備の設置や水分摂取の促進、熱中症が疑われる際の対応方法などが明確化されています。
もちろん、労働者以外のみならず施設利用者にとっても環境の整備は重要です。

3.病院・クリニックでできる暑さ対策の具体例と費用対効果

ここからは、暑さ対策の具体例とその費用対効果について解説します。

(1)【設備面】対策ごとの特徴

窓ガラスにフィルムやガラスコーティングを施工することで、室内温度の上昇を防ぎます。
窓ガラスに施工する対策は、初期費用が抑えられること、短期間で施工できることがメリットであり、費用対効果が期待できます。

遮熱塗料の施工や高効率な空調設備への更新、熱交換などの換気システム導入も効果的です。
ただし、一定規模の費用負担があります。

窓フィルム(遮熱タイプ)
  • 手軽に導入できる
  • 劣化がしやすく、劣化時の見た目が悪い
初期費用約1万~2万円/㎡
暑さ対策効果〇 紫外線・赤外線をカットするが、効果は製品によって異なる
省エネ効果〇 冷房効率向上
施工期間半日~1日
窓ガラスコーティング
  • 透明なため外観に変化なし
  • 繰り返し施工可能
初期費用約1.2万~1.8万円/㎡
暑さ対策効果◎ 断熱・遮熱性がアップ
省エネ効果◎ 電気代最大約25%カット
施工期間1~2日
窓交換・二重窓
  • 国の補助金対象になる場合あり
初期費用約5万~10万円/㎡
暑さ対策効果◎ 断熱・遮熱・気密性が向上
省エネ効果◎ 年間通じて冷暖房効率UP
施工期間2~4日
遮熱(断熱)塗料(屋根・外壁)
  • 外壁改修と合わせて導入しやすい
初期費用約3,000~6,000円/㎡
暑さ対策効果◎ 日射による室温の上昇を抑制。製品によっては断熱効果もあり
省エネ効果〇 冷房負荷軽減。製品によっては暖房費減
施工期間1週間~10日
空調の更新(高効率機種)
  • 補助金対象になることが多い
初期費用約30万円~150万円/台
暑さ対策効果◎ 室内温度を正確に制御
省エネ効果◎ 電力消費を大幅削減
施工期間1~2日/1台
換気システム改善
  • CO₂濃度管理や感染症対策にも有効
初期費用約50万~200万円以上
暑さ対策効果△ 単体での遮熱効果は小さい
省エネ効果〇 熱交換器の併用で省エネ効果あり
施工期間数日~1週間

(2)【運用面】温度モニタリング、室内配置の工夫

熱中症を防ぐには、天候状況と室内の温度をモニタリングしながら、空調を調整したり混雑を解消したりする工夫などが必要になります。

(3)【応急対応】まずは体を冷やす

環境を整えていても、個人の体調等により熱中症の症状が現れる方もいるでしょう。
様子がおかしい人を見つけた際は、冷却グッズや冷水機などで応急処置を行い、体を冷やすことが大切です。

また、混雑などで応急処置ができにくいことがないように、普段から避難スペースを確保しておきましょう。

(4)よくある導入事例

病院やクリニックなどの診療を続けながら対策をしなければならないケースでは、短期間で施工ができて、効果がある対策がよいでしょう。

窓ガラスコーティングは1~2日ほどで施工可能なため、多くの方に選ばれています。
室温の上昇を抑える効果で、電気代が約30%も削減された事例があります。

4.暑さ対策に使える補助金・助成制度(令和7年度版)

暑さを解消する対策は一定の費用がかかります。熱中症対策でも補助金は使えるのか、どのような工事が対象なのかご紹介します。

(1)国の補助金制度

エイジフレンドリー補助金

60歳以上の労働者(常時1名以上)を雇用する中小事業者を対象に、空調服や送風機の導入、冷房付き休憩所の整備などの費用の一部を負担するものです。

補助率1/2
上限100万円
業務改善助成金

中小、小規模事業者が対象であり、冷房付き休憩所やスポットクーラー設置などの費用の一部を助成するものです。

補助率最大9/10
上限600万円
働き方改革推進支援助成金

中小事業者が対象で、空調・換気設備の導入や冷房付き休憩所の整備、作業効率化の導入などに対し、費用の一部を助成するものです。

補助率最大4/5
上限200万円
省エネルギー投資促進支援事業

省エネに関わる高効率空調設備の導入や断熱改修などの費用の一部を支援するものです。

補助率中小企業:最大1/2
大企業:最大1/3

(2)地方自治体による支援

地方自治体が独自で熱中症対策の補助金を設けていることがあります。
個人、事業者で予算や申請区分が分けられていることもありますので、地域の窓口に確認してみましょう。

(3)補助対象になる主な設備・工事

補助金や助成金の対象となるのは、主に空調設備の更新、冷房付き休憩室の整備、業務効率化のためのシステム整備、断熱改修などです。

(4)補助金の申請方法と注意点

一般的な補助金申請の流れは下記の通りです。

  1. 補助金の申請
  2. 交付決定
  3. 工事着手
  4. 完了報告
  5. 補助金の交付

補助金は予算上限に達すると期限前でも締め切りになるため、必ず補助金枠があるかどうかを確認しましょう。
また、補助金の交付決定がなされる前に工事に着手すると取り消されることもあるため、十分に注意しましょう。

5.よくある質問

Q1:令和7年6月から義務化された熱中症対策は、すべての医療機関が対象ですか?

はい、原則として、入院設備のある病院・診療所は対象となります。
外来のみのクリニックでも、高齢者や体調の変化を起こしやすい患者様が多い場合は、対策が強く推奨されます。
詳細は厚生労働省の通知や自治体のガイドラインをご確認ください。

Q2:暑さ対策に補助金は使えますか?

はい、国や自治体の省エネ補助金や医療施設向けの環境整備補助金が活用できる場合があります。
対象となるのは、空調更新、断熱工事、窓改修などで、事前申請が必要です。
年度や地域により条件が異なるため、早めに調査・相談することをおすすめします。

Q3:補助金を使って工事をする場合、申請は難しいですか?

制度によりますが、専門の施工業者が申請サポートを行ってくれる場合が多く、実務負担は比較的少ないです。
事前に見積書・仕様書の提出が必要になることがあるため、まずは対応可能な業者に相談するのが近道です。

Q4:暑さ対策の優先順位はどう決めればよいですか?

施設の現状により異なりますが、以下のような順序が一般的です。

  1. 空調更新(冷房効率を上げる)
  2. 窓の断熱・遮熱の強化(フィルム、コーティング、二重窓)
  3. 換気システム改善(熱交換換気など)
  4. 遮熱塗料など建物外装の工夫

エネルギー診断や省エネコンサルを活用すると、より効果的な対策が見えてきます。

Q5:施工中の診療や入院患者様への影響が心配です。

多くの暑さ対策工事は、夜間・休日施工や短時間分割施工が可能です。
事前に工程を調整することで、診療や入院業務への影響を最小限に抑えることができます。
また、窓フィルムや窓ガラスコーティングは、騒音や振動が少なく1~2日で完了するため、導入のハードルが低いです。

Q6:電気代の削減にもつながりますか?

はい、冷房の効率が上がることで、最大で15~30%前後の電気代削減が見込まれるケースもあります。
遮熱と空調の両面から対策を行うことで、患者様の快適性と経営面のメリットを両立できます。

6.まとめ

毎年のように最高気温の更新や猛暑日の増加により、医療施設の暑さ対策は命を守るインフラ整備といえます。
令和7年6月からは熱中症対策が義務化されていますので、計画的かつ補助制度を活用した設備更新を早期に検討することが求められます。

病院・クリニックの利用者の「安心」と「快適」を実現するため、どのくらいの費用でどのくらいの効果が見込めるか、プロに相談しながら熱中症対策に取り組みましょう。