【2026年最新版】工場・倉庫の塗り替え費用を左右する単価(人工代や材料費)の適正価格

「工場の塗り替えで数千万の予算が必要だが、提示された費用が適正か分からない」「複数社から塗り替え工事の見積もりを取ったが、単価の内訳がバラバラで比較できない」といった課題に対し、2026年最新の市場動向を踏まえ、工場・倉庫塗装の費用構造(材料費、人工代、その他経費)を徹底的に分解し、適正な判断基準を提供します。
工場・倉庫を所有または管理している企業の経営者・総務担当・施設管理責任者、製造業・物流業など自社建物を長期利用している法人に向けて、単に「高い」ではなく「なぜ上がったのか」を経営判断の材料として提示します。
目次
1.工場・倉庫の塗り替え費用の仕組み

工場や倉庫の塗り替え費用は、単純に「一式いくら」と提示されることもありますが、その内訳は複数の要素が積み上げられています。
はじめに、費用算定の基本的な考え方と、構成要素について整理しましょう。
⑴塗装費用は “単価 × 数量” で決まる
塗装工事の費用は「単価 × 数量」というシンプルな式で算出されます。
単価とは人工代(労務費)、材料費(塗料代)、その他費用(足場や養生など)を指し、数量は施工面積や作業量に応じて決まります。
例えば同じ単価でも、施工面積が広ければ総額は大きく膨らみます。
したがって、見積書を確認する際には「単価が妥当か」「数量が正しく算出されているか」を意識することが重要です。
⑵工場・倉庫塗装費用の3つの構成要素
工場や倉庫の塗装費用は大きく分けて3つの要素から成り立っています。
①人工代(労務費)
職人1人が1日働いた場合の費用です。施工の難易度や地域によって変動します。
②材料費(塗料代)
使用する塗料の種類によって単価が変わります。耐久性や機能性が高いほど価格も上昇する傾向があります。
③その他費用と諸経費
その他費用は足場代や養生費、諸経費は現場管理費や産廃処分費などで、どちらも施工に必要な経費です。施工中の安全や品質維持のために必要です。
2.最新の人工代(労務費)の適正価格【2026年版】

人工代(労務費)は、作業員1人が1日(8時間)働くのにかかる人件費のことで、塗装工事費用の中でも大きな割合を占めます。
ここでは2026年(令和8年)版の最新相場を全国と地域別に確認し、人工代が高くなる要因や最新情報の発表時期について解説します。
⑴全国的な塗装工の人工代
人工代の目安となる「公共工事設計労務単価」によると、2025年(令和7年)3月から適用する都道府県ごとの全国的な塗装工の人工代は、1人工あたり24,400〜34,500円と公表されています。
都市部では経費もかかるためやや高めに設定され、地方では比較的低めになる傾向があります。
⑵福島県いわき市の塗装工の人工代
公共工事設計労務単価(2025年3月から適用)によると、福島県の塗装工の人工代は32,000円程度が目安です。
首都圏より低めではありますが、熟練工不足が進んでいるため、全国的に人工代が上昇傾向といえます。

⑶人工代が高くなる要因
品質の高い施工が可能な職人は年々減少傾向です。
そのため、人材確保が難しく人工代が高くなる要因にもなっています。また、人工代は一律ではなく、施工条件によっても変動します。
高所作業や危険作業を伴う場合、夜間や休日施工、稼働中工場での安全対策などが必要になると、人工代は通常時よりも上乗せされます。
⑷最新の人工代はいつ発表される?
建設業労務単価は国土交通省から毎年発表されており、2026年(令和8年)版は例年通り2月頃に更新される予定です。
最新情報を確認することで、見積もりの妥当性をより正確に判断できます。
3.最新の材料費(塗料代)の適正価格【性能別】

工場や倉庫の塗り替えにおいて、材料費は全体の費用を大きく左右する要素です。
塗料の種類や性能によって単価が変わり、耐久性や機能性が高いほど価格も上昇します。
ここでは代表的な塗料の種類別単価目安と、価格が変動する理由について解説します。
⑴塗料の種類別の単価目安
塗料別の単価の目安は以下のとおりです。
アクリル系は低コストですが、その分耐久性が低くなります。
ウレタン系は一般的な塗料となり、最も普及しているのはシリコン系です。
フッ素や無機系は高耐久でもあることから、法人向けの塗料としておすすめです。
| 種類 | 単価(㎡) | 50坪 | 100坪 | 300坪 |
| アクリル系 | 5000円~ | 90万円~ | 170万円~ | 530万円~ |
| ウレタン系 | 5000円~ | 90万円~ | 170万円~ | 530万円~ |
| シリコン系 | 6000円~ | 100万円~ | 200万円~ | 600万円~ |
| フッ素系樹脂 | 7000円~ | 120万円~ | 230万円~ | 710万円~ |
| 無機系 | 7000円~ | 120万円~ | 230万円~ | 710万円~ |
| その他特殊用途 (遮熱など) | 6000円~ | 100万円~ | 200万円~ | 600万円~ |
⑵塗料単価が変動する理由
塗料の価格は固定ではなく、以下のような要因で変動します。
- 原材料価格の国際相場
- 為替レートの変動
- 施工方法(ローラー塗りか吹付か)
- 耐久年数や機能性(遮熱、防錆、防水など)
価格は時期がくると変動していくため、見積書に記載された塗料の種類と性能を必ず確認し、長期的なコストパフォーマンスを考慮して選定することが重要です。
4.その他費用と諸経費および付帯工事の単価相場

人工代や材料費以外にも、工場・倉庫の塗り替えには多くの付帯工事の費用が発生します。
これらを見落とすと、見積書の総額が想定以上に膨らむことがあります。
ここでは代表的な費用と相場を整理します。
⑴その他費用(足場代、飛散防止ネット、養生、高圧洗浄等の費用目安)
外回りの塗装工事は高所作業が多いため、安全確保のために足場を組みます。
足場周りには近隣への影響を最小限にするため、飛散防止ネットを設置するなど養生も必要です。
また、塗装を行う前には建物の汚れを落とし、適切な耐久性能が発揮できるように準備します。
高圧洗浄や部分的な補修は、品質確保として重要な部分といえます。
| 項目 | 相場価格 |
| 飛散防止ネット | 100~200円/㎡ |
| 高圧洗浄 | 100~300円/㎡ |
| 養生 | 250~400円/㎡ |
| 足場 | 600~800円/㎡ |
⑵諸経費(現場管理費、産廃処分費など)
現場管理費は工事総額の5〜10%(3~5万円)、産廃処分費は1~3万円が目安です。
これらは工事の運営や廃材処理に必要な費用であり、見積書に必ず含まれるべき項目です。
⑶下地補修費など
建物の状態にもよりますが、塗り替え工事の際に以下のような補修工事を行います。
| 項目 | 相場価格 |
| 軒天 | 800~1200円/㎡ |
| 雨どい | 800~1200円/m |
| 破風板 | 650~1200円/㎡ |
| 雨戸 | 2000~5000円/枚 |
| シーリング打ち替え | 900~1500円/m |
| シーリング打ち増し | 500~1000円/m |
⑷工場・倉庫ならではの追加コスト
稼働中の工場で施工する場合、安全対策費が必ず発生します。
ゾーニングや夜間施工、防塵養生などが必要となり、工事総額増となるケースもあります。
⑸カバー工法、屋根葺き替え、外壁張り替えなどの工事費目安
建物の傷みの状態で塗り替え工事では対処できない場合は、カバー工法や屋根の葺き替え、外壁の張り替えが必要になります。
費用は建物の規模によって異なりますので、長期的なメンテナンスと合わせて検討が必要です。
| 項目 | 相場価格 |
| カバー工法 | 100万円~ |
| 屋根葺き替え | 100万円~ |
| 外壁張り替え | 200万円~ |
5.適正な単価かどうかを判断するチェックリストと費用を抑えるポイント

見積書を受け取った際に最も気になるのは、「この費用は適正なのか」という点です。
ここでは、適正価格を見極めるためのチェックポイントと、費用を抑えるための工夫を紹介します。
⑴見積書で見るべきポイント
見積書に「一式」とだけ記載されている場合は注意が必要です。
数量や㎡単価が明記されているか、足場・養生・処分費の数量が含まれていて実際の面積と合致しているか、塗料の種類と耐用年数が記載されているか、付帯工事が相場から逸脱していないかなどを確認しましょう。
⑵法人担当者向けの注意点
工場や倉庫の塗り替えを発注する際、法人担当者は見積書の金額だけでなく、工事の進め方や工場の稼働スケジュールと安全書類の計上などもチェックしましょう。
稼働中の工場では夜間施工やゾーニングが必要となり、安全対策費が追加されます。
作業計画書やKY活動記録などの安全書類が見積に含まれているかを確認することで、後からの追加費用を防げます。
次に、防水や補修が含まれているかをチェックしましょう。
下地のひび割れや劣化を放置したまま塗装すると、数年以内に剥離や雨漏りが発生し、再工事が必要になる恐れがあります。
最後に、安価な業者に依頼するリスクも見逃せません。
極端に安い見積もりは、塗料の希釈や下地処理の省略につながり、施工不良を招く可能性があります。
法人施設では外観の劣化が企業イメージに直結するため、信頼できる施工実績や保証制度を持つ業者を選ぶことが、長期的なコスト削減につながります。
⑶塗り替え費用を抑える方法
工場や倉庫の塗り替え費用を抑えるには、補助金や税制優遇の活用が有効です。
2026年も「省エネ・非化石転換補助金」など事業者向け支援が継続され、工場の省エネ設備更新や遮熱塗装などが対象となります。
さらに「中小企業投資促進税制」により、対象設備の取得価額の30%特別償却または7%税額控除が可能で、設備投資の負担軽減につながります。
建設関連費用は年々上昇しているため、予算を前倒しして工事を行うことで、将来的なコスト増を回避できます。
また、信頼できる塗装会社の選び方が費用削減に直結します。
工場・倉庫の施工実績が豊富で、防食塗装やALC補修の技術を持ち、施工管理体制が整った会社を選ぶことで、施工不良や早期劣化を防ぎ、長期的なコスト削減につながります。
6.よくある質問

Q1. 提示された見積もりの「人工代」が高いのか安いのか、どう判断すればいいですか?
人工代の目安となる「公共工事設計労務単価」が判断基準となります。
比較して、人工代が高すぎたり安すぎたりする場合は注意が必要です。
極端に人工代が安い業者は、熟練度の低い職人を使っているか、安全管理を疎かにしている可能性があります。
ただし、人工代(職人の労務費)の適正価格は、作業の難易度(高所作業、夜間作業など)によっても変動します。
特に工場・倉庫の塗装は安全対策費も重要です。適正価格は「安全と技術」を確保するためのコストだとご理解ください。
Q2. 塗料の耐久性が高い「フッ素塗料」や「無機塗料」は、初期費用が高くなりませんか?
初期費用だけを見ると、フッ素塗料や無機塗料などの高耐久塗料は、従来のシリコン塗料よりも高くなります。しかし、工場や倉庫の塗装は、高額な足場代が費用の多くを占めます。
高耐久塗料は、塗り替えサイクルを10年 → 15年~20年に延ばすことが可能です。
その結果、足場代の発生回数が減り、長期的なトータルコスト(LCC:ライフサイクルコスト)では費用対効果が非常に高くなります。
資産価値の維持と、塗り替えに伴う業務停止リスクの低減も考慮すると、高耐久塗料が法人様には推奨されます。
Q3. 工場の稼働を止めずに塗り替え工事を進めることは可能ですか?
はい、可能です。当社では、お客様の業務に極力支障が出ないよう、柔軟な施工計画をご提案しています。
- 分割施工
工場全体を複数エリアに分け、稼働中のエリアを避けながら順次施工します。
- 夜間・休日施工
通常の営業時間外に作業を実施することで、稼働停止時間を最小限に抑えます。ただし、夜間・休日作業は職人の人工代が割高になることがあるため、その分コストは増加します。費用対効果を試算した上で、最適なプランをご提案しますのでご相談ください。
Q4. 塗装後、塗膜の剥がれや不具合が出た場合の保証制度はどうなっていますか?
施工箇所と使用した塗料の種類に応じた保証期間を設けるのが一般的です。
特に法人様の場合、保証内容には以下の点が含まれているかご確認ください。
- 塗料メーカーとの連名保証
塗料の性能をメーカー側からも保証してもらう。
- 最長保証期間
耐久性の高い塗料を使用した場合の保証期間(例:フッ素で10年保証など)が明記してある。
Q5. 塗り替えのベストなタイミング(工期)をどう見極めればいいですか?
工場や倉庫の塗り替え時期は、前回の塗装からの経過年数だけでなく、「チョーキング現象(壁を触ると白い粉が付く)」や「サビの発生」を基準に判断します。
特に鉄骨造の工場・倉庫では、サビの放置が構造体の耐久性に直結するため危険です。
適切な時期を見極めるため、専門家による建物診断を受けると安心です。
診断の結果に基づき、最も費用対効果が高く、耐久性を維持できる最適な塗り替え時期をご提案いたします。
7.まとめ

工場や倉庫の塗り替え費用は、人工代・材料費・その他費用の3つの要素で構成されます。
人工代は職人の労務費で、施工条件や地域によって変動します。
材料費は塗料の種類や性能により単価が大きく異なり、耐久性や機能性を考慮した選定が重要です。
その他費用には足場や養生、現場管理費、産廃処分費などが含まれ、稼働中の工場では安全対策費が追加されることもあります。
法人担当者は、見積書に防水や補修が含まれているか、安全書類が計上されているかを確認し、安価な業者による施工不良のリスクを避ける必要があります。
さらに補助金や税制優遇を活用し、信頼できる施工会社を選ぶことで、長期的なコスト削減につながります。
- カテゴリー : 工場・倉庫、修繕・リフォーム